【ファンダメンタル分析入門】S株投資家が最低限押さえるべき6つの指標
保有銘柄が増えてくると、「なんとなく良さそう」で買ってる自分に気づくんですよね。
ちゃんと数字で判断できるようになりたい。
というわけで、クロちゃんにファンダメンタル分析を教えてもらいました。……で、教えてもらってるうちに「指標が完璧でも避けられないリスク」の話になって、
気づいたらリスク12種類も全部書いてましたw
記事のバランス? そんなの関係ない。自分がわかればいいんですw
そもそもファンダメンタル分析って何?
株の分析方法は大きく2つあります。
ファンダメンタル分析=企業の「中身」を見て、今の株価が割安か割高かを判断する方法。決算書の数字(売上・利益・資産)や、その企業を取り巻く経済環境から判断します。
テクニカル分析=チャートの形やパターンから「次にどう動くか」を予測する方法。ローソク足、移動平均線、RSIなど。

S株でDCA(ドルコスト平均法)をやっている場合、短期の値動きを予測するテクニカルよりも、「この企業に長期で投資する価値があるか?」を判断するファンダメンタルのほうが相性がいいです。
じゃあ具体的に何を見ればいいのか?最低限これだけ押さえておけばOKという6つの指標をまとめます。
① PER(株価収益率)📊
Price Earnings Ratio = 株価 ÷ 1株あたり純利益(EPS)
「今の利益水準だと、投資額を回収するのに何年かかるか」を示す指標です。
PER 15倍なら「15年分の利益で株価と同額になる」というイメージ。

| 水準 | 目安 | 解釈 |
|---|---|---|
| 低い(〜12倍) | 割安候補 | ただし「成長が期待されてない」だけの場合もある |
| 平均(14〜16倍) | 日本株の標準的な水準 | |
| 高い(25倍〜) | 成長期待込み | 期待を裏切ると一気に下がるリスク |
⚠️ 注意:赤字企業はPERが算出できません(EPSがマイナスだから)。証券サイトで「PER N/A」と表示されてたらそういうことです。
② PBR(株価純資産倍率)🏢
Price Book-value Ratio = 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)
「会社を今すぐ解散して資産を全部売ったら、株価に対してどれくらい返ってくるか」という指標。

| 水準 | 解釈 |
|---|---|
| PBR 1倍未満 | 理論上「解散価値以下」。株価が資産価値より安い |
| PBR 1倍 | 株価=解散価値(トントン) |
| PBR 3倍以上 | 資産に対してかなりプレミアムが乗っている |
東証が2023年から「PBR 1倍割れ企業は改善策を出せ」とプレッシャーをかけているので、PBR 1倍割れ銘柄は自社株買いや増配で改善しようとする動きがあります。これは投資家にとって追い風。
③ ROE(自己資本利益率)⚙️
Return On Equity = 純利益 ÷ 自己資本 × 100
「株主のお金をどれだけ効率よく使って利益を出しているか」を示す指標。

| 水準 | 評価 |
|---|---|
| 8%以上 | まあまあ優秀 |
| 10%以上 | かなり優秀 |
| 15%以上 | 超優秀(グローバル基準で戦える) |
⚠️ 落とし穴:借金を増やして自己資本を小さくすればROEは上がります。なので「ROEが高い=無条件に良い」ではありません。次に紹介する自己資本比率とセットで見るのが鉄則。
④ 自己資本比率 🛡️
自己資本 ÷ 総資産 × 100
「会社の財産のうち、返さなくていいお金(自己資本)がどれくらいの割合か」を示す指標。高いほど財務が健全です。
| 水準 | 評価 |
|---|---|
| 50%以上 | 安定感あり |
| 30〜50% | 普通 |
| 30%未満 | 借入依存度が高い(業種によるが要注意) |
銀行・保険は例外です。金融機関は構造的に他人のお金を預かって運用するビジネスモデルなので、10%台でも正常。三菱UFJのPBRが低いからといって「財務ヤバい」わけじゃないです。
以前書いた「長期成長期待株16銘柄・自己資本比率ランキング」はまさにこの指標でスクリーニングしたもの。
⑤ 配当利回り 💰
1株あたり年間配当金 ÷ 株価 × 100
「今の株価で買ったら、配当だけで年何%のリターンがあるか」を示す指標です。

| 水準 | 解釈 |
|---|---|
| 2%未満 | 低め(成長株に多い。利益を配当より事業投資に回している) |
| 2〜3.5% | 平均的 |
| 3.5%以上 | 高配当 |
| 5%超え | 一見おいしいが「株価が下がりすぎた結果」の可能性。減配リスクに注意 |
S株で月1万円積立してると、配当金は数十円〜数百円単位でチマチマ入ってきます。金額的なインパクトはまだ小さいけど、「保有しているだけでお金が入る」という体験は長期投資のモチベーションになるんですよね。
⑥ 営業利益率 🔥
営業利益 ÷ 売上高 × 100
「本業でどれだけ効率よく稼いでいるか」を示す指標。
| 水準 | 評価 |
|---|---|
| 10%以上 | 優秀(競争力がある) |
| 5〜10% | 普通 |
| 5%未満 | 薄利(価格競争に巻き込まれやすいビジネスモデルの可能性) |
営業利益率が高い企業は「値下げ競争に巻き込まれにくい」「ブランド力がある」「参入障壁が高い」ことが多いです。
応用編:指標を組み合わせて見る 🧩
指標は単体で見ても意味が薄いです。大事なのは組み合わせ。

パターンA:割安高収益(バリュー株の理想形)✅
- PER低い + PBR低い + ROE高い + 自己資本比率高い
- 「実力あるのに市場に見つかってない」可能性
- S株DCAの王道候補
パターンB:高成長プレミアム(グロース株)🚀
- PER高い + PBR高い + ROE高い + 営業利益率高い
- 「将来の成長に賭けている」状態
- 期待が裏切られた時の下落も大きい
パターンC:配当で守る(ディフェンシブ株)🛡️
- 配当利回り高い + 自己資本比率高い + PER低〜中程度
- 安定配当+財務健全。下がっても配当でカバーする戦略
パターンD:要注意(数字は良さそうに見えるけど罠)⚠️
| 見え方 | 実態 |
|---|---|
| ROE高い + 自己資本比率低い | 借金で高ROEを演出してる可能性 |
| 配当利回り高い + PER N/A | 赤字なのに配当出してる(タコ足配当)。持続性に疑問 |
| PBR低い + ROE低い + 営業利益率低い | 安いには理由がある(バリュートラップ) |
ファンダメンタル分析の限界 🤔
正直に言うと、ファンダメンタルだけで株価の動きは予測できません。

- 決算が良くても株価が下がることはザラにある(「好材料出尽くし」で利確される)
- 数字に出ない要素が株価を動かす(経営者の資質、ブランド力、市場の空気)
- マクロ環境の影響がデカすぎる(日銀利上げ、為替、地政学リスク)
- 過去の数字しか見れない(決算書は過去の実績。未来を保証しない)
だから「ファンダメンタルで割安だと判断した→全力買い」は危険。
あくまで「長期投資の候補を絞り込むフィルター」として使うのが正解です。
S株でDCA積立している場合は、
ファンダメンタルでスクリーニング → 候補に残った銘柄をDCAで少額ずつ買う → 含み損益を市場レーダーとして見る → 好調銘柄に追加投資を集中
という流れ。このブログでやっているセクターギャップ戦略と同じ考え方ですね。
指標では見えないリスク12種類 ⚡
ファンダメンタル分析で企業の「中身」は見えるようになった。
でも 企業の外から降ってくるリスクには対応できないんですよね。
というわけで、株式投資で考えておくべきリスクも全部まとめちゃいましたw
各リスクの深堀りはまた追々していこうと思います。
🔴 直接食らう系(避けられない)
価格変動リスク(マーケットリスク)
株価そのものが上下するリスク。これはもう株をやる以上100%食らいます。
S株DCAで時間分散しているとはいえ、買った瞬間から含み損になることは普通にある。今のポートフォリオでも毎日体験してる話ですw
流動性リスク
売りたいときに売れない、あるいは不利な価格でしか売れないリスク。
S株は約定タイミングが1日1〜3回に限られるので、単元株より流動性リスクは構造的に高いです。暴落時に「今すぐ売りたい」ができない。これはS株投資家が必ず理解しておくべきポイント。
信用リスク(デフォルトリスク)
投資先の企業が倒産・債務不履行になるリスク。株は最悪ゼロになります。
S株で35銘柄に分散してるから1銘柄あたりのダメージは小さいけど、ゼロはゼロ。分散投資が最大の防御策です。
🟡 マクロ環境系(企業の実力と関係なく降ってくる)
金利リスク
日銀の利上げ・利下げで株式市場全体が動くリスク。
まさに今週の日銀利上げ→日経7万円タッチがこれ。グロース株は金利上昇に弱い、銀行株は金利上昇で恩恵、という構造があります。三菱UFJを買ったのは、このリスクを逆に取りに行った判断でもある。
為替リスク
円高・円安で企業業績が変わるリスク。
輸出企業(コマツ、三菱重工)は円安が追い風、輸入依存企業(ニトリ)は円高が追い風。日本株しか買ってなくても為替の影響は受けます。
「日本株だから為替は関係ない」は完全な誤解。海外売上比率が高い銘柄を持ってる時点で、間接的に為替リスクを取ってることになります。
インフレリスク
物価が上がると企業のコストが増える一方で、株は「実物資産」的な側面もあるのでインフレヘッジになる場合もあります。
現金で持ってるよりはマシ、という考え方。逆に言えば「何も投資しないこともリスク」なんですよね。
カントリーリスク(地政学リスク)
投資先の国や関連する地域の政治・経済の不安定さによるリスク。
日本株でも海外売上比率が高い企業は影響を受けます。
| 銘柄 | 影響を受ける地域・要因 |
|---|---|
| キッコーマン | 米国売上比率が高い。米国の消費動向・関税政策 |
| ユニ・チャーム | アジア売上比率が高い。東南アジアの政情・為替 |
| コマツ | 北米・アジア・中南米。資源国の景気・インフラ投資 |
| 三菱重工 | 防衛関連。地政学そのもの(台湾有事、中東情勢) |
米中関係、台湾有事、中東情勢……ニュースで見る「なんか遠い話」が、実は自分のポートフォリオに直結してるわけです。
🔵 制度・規制系(ルールが変わる)
税制変更リスク
NISA制度の変更、配当課税率の変更、金融所得課税の強化議論など。
政治の意思決定で投資環境がガラッと変わります。「金融所得課税を30%に引き上げ」なんて話が出たら、高配当株戦略の前提が崩れる。
規制リスク
業界固有の規制変更。
| 業界 | 規制リスクの例 |
|---|---|
| 医薬品(塩野義・第一三共) | 薬価改定で売上が強制的に下がる |
| 素材・製造 | 環境規制の強化でコスト増 |
| テック・IT | 独禁法、個人情報保護法の強化 |
| 海運(川崎汽船) | 環境規制(IMO規制)、航路規制 |
🟣 企業固有系(その会社特有)
経営リスク
不祥事、経営者の交代、ガバナンスの問題。ファンダメンタルの数字には現れないけど株価に直撃します。
過去に何度も見てきたやつ。「決算は良かったのに社長が逮捕された」とか、数字では予測不可能。
技術革新リスク(ディスラプション)
業界そのものが技術革新で消滅・縮小するリスク。
フィルムカメラ→デジカメ→スマホ、のような構造変化。富士フイルムはフィルム事業の消滅をヘルスケアと素材に転換して乗り越えた好例。保有銘柄にいるので他人事じゃないですw
集中リスク(セクター偏り)
特定のセクターに偏りすぎると、そのセクターがまるごと沈んだときに共倒れするリスク。
今やっているセクターギャップ戦略はまさにこのリスクへの対策。テック・ヘルスケア・素材・金融・食品・人材サービス・海運の7セクターに分散しているのは、集中リスクを避けるためです。
災害リスク
地震・台風・パンデミックなどの自然災害。
日本は地震大国なので、日本株特有のリスクでもあります。2024年の能登半島地震、コロナショック……どれだけファンダメンタルが良くても、自然災害の前では無力。
実際にどこで数字を見るか 🔍
| 情報源 | 特徴 |
|---|---|
| SBI証券の銘柄詳細ページ | PER・PBR・配当利回り・ROE等が一覧で見られる。保有銘柄ならワンタップ |
| 株探(kabutan.jp) | 決算速報が早い。四半期ごとの推移グラフもある |
| バフェット・コード | 企業比較に特化。同業他社との横比較がしやすい |
| IR BANK | 過去10年分の財務データが無料で見られる。長期推移を確認するならここ |
| 各社IR資料(決算短信・有報) | 一次情報。数字の裏にある背景(経営陣のコメント等)が分かる |
⚠️ AIに聞いた数字を鵜呑みにしない。 クロちゃんもチャッピーも平気で間違えます(株式分割後の価格を旧価格で返してきたりする)。必ず上記の一次情報で確認してください。これは本当にマジです。
まとめ 📝

指標チートシート
| 指標 | 計算式 | ざっくり目安 |
|---|---|---|
| PER | 株価 ÷ EPS | 14〜16倍が平均。低いと割安候補 |
| PBR | 株価 ÷ BPS | 1倍未満は解散価値以下 |
| ROE | 純利益 ÷ 自己資本 | 10%以上で優秀 |
| 自己資本比率 | 自己資本 ÷ 総資産 | 50%以上で安定 |
| 配当利回り | 年間配当 ÷ 株価 | 3.5%以上で高配当 |
| 営業利益率 | 営業利益 ÷ 売上高 | 10%以上で競争力あり |
リスク一覧
ファンダメンタル分析は企業の「中身」を見る方法ですが、企業の外から降ってくるリスクには対応できません。
「決算完璧なのに株価が下がる」のは、だいたいこっち側の話です。
今後の記事でそれぞれ深掘りしていく予定ですが、まずは「こんなにあるんだ」というのを一覧で頭に入れておいてください。知ってるだけで暴落時のパニック売りを防げます。
| 分類 | リスク名 | ひとことで |
|---|---|---|
| 🔴 直接食らう系 (避けられない) | 価格変動リスク | 株価は上下する。当たり前だけど最大のリスク |
| 🔴 | 流動性リスク | S株は売りたい時にすぐ売れない |
| 🔴 | 信用リスク | 最悪ゼロになる。分散が防御策 |
| 🟡 マクロ環境系 (企業の実力と関係なく降ってくる) | 金利リスク | 日銀の動きで市場全体が動く |
| 🟡 | 為替リスク | 円高・円安で業績が変わる |
| 🟡 | インフレリスク | 物価上昇。でも株は現金よりマシ |
| 🟡 | カントリーリスク | 海外売上が多い企業は地政学の影響を受ける |
| 🔵 制度・規制系 (ルールが変わる) | 税制変更リスク | NISA改悪・課税強化で環境が変わる |
| 🔵 | 規制リスク | 薬価改定・環境規制・独禁法 |
| 🟣 企業固有系 (その会社特有) | 経営リスク | 不祥事・ガバナンス崩壊 |
| 🟣 | 技術革新リスク | 業界ごと消滅する可能性 |
| 🟣 | 集中リスク | セクター偏りで共倒れ |
| 🟣 | 災害リスク | 地震・台風・パンデミック |
💡 クロちゃんのひとこと
ファンダメンタル分析は「完璧な答え」を出す道具じゃなくて、「明らかにヤバい銘柄を避ける」ためのフィルターです。S株で月1万円の積立をしている段階なら、まずはPER・PBR・配当利回りの3つだけでも意識するところから始めてみてください。全部一度に覚える必要はないです。
そしてリスクは「避ける」ものじゃなくて「知っておく」もの。知ってさえいれば、暴落が来ても「あ、これは○○リスクが顕在化しただけだ」と冷静でいられます。パニック売りが一番のリスクですからね。
免責事項
本記事は個人の学習記録であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

